<<2008北京オリンピック女子アジア予選 試合結果>>

 

     8/25(土) ,  8/27(月) ,  8/29(水)


     星取表

最終順位; 1位 カザフスタン(2勝1敗)   2位 韓国(2勝1敗)
3位 日本(2勝1敗) 4位 カタール(3敗)
 
※カザフスタン・韓国・日本は2勝1敗(勝ち点4)で並んだが、
 3チーム間の試合における得失点差により、上記順位が確定。
 得失点;カザフスタン(+5),韓国(0),日本(−5)




◆8/29(水)

日 本   49 (23- 5, 26- 5) 10   カタール
(2勝1敗) (3敗)
【戦評】
北京五輪アジア予選、最終戦は中東のカタールとの対戦であった。カタールはここまでのカザフスタン、韓国戦とも大きくリードされて敗戦している。参加チームの中ではやや力不足点があるが、日本チームとしては締めくくりのゲームだけに集中した試合にしたい。
試合開始直後に相手エースである20番に得点を許してしまったが、そこから佐久川、金城らの速攻で10分までに8連取した。その後、単発な失点はするものの、ゴールキーパーと連動した硬い守りでカタールの攻撃をシャットアウトし、速攻につなげるというパターンで着実に得点を重ねた。
大きくリードした試合では、概して集中力が途切ることがありうるが、ベルト監督は要所でチームを激励し集中を促した。もちろん選手も監督の声に応え、攻撃の手を休めることはなかった。
 後半も、日本の集中力は続いた。カタールに不利な形でシュートを打たせ、飛田、勝田両ゴールキーパーのナイスキープから素早い速攻に結びつけた。8本の7mスローのうち、5本をシャットアウトしたゴールキーパー陣の活躍はすさまじかった。後半20分からはカタールにまったく得点を与えず、逆に日本はディフェンスを高く攻撃的なシフトに変更し、さらにカタールのミスを誘った。12連続得点し49点目をカウント。50点目の攻撃権を得たところでタイムアップとなった。
 力の差のあるチームとの対戦であったが、”日本のハンドボール”をすることに集中し、結果的に次につながる形で本大会を締めくくることができた。

<得点者>
佐久川12,早船6,田中・植垣5,小野澤4,
金城・坂元・藤井・大前・谷口3,東濱・長野1

   

韓 国 32 (15-15, 17-16) 31   カザフスタン
(2勝1敗) (2勝1敗)





◆8/27(月)

日 本   22 (15-14, 7-14) 28   カザフスタン
(1勝1敗) (2勝)
【戦評】
 北京五輪予選の第2戦はカザフスタンとの対戦であった。開催国ということで、会場は地元のファンで埋め尽くされ、日本チームにとって四面楚歌の状態での試合であった。
 体格面で圧倒的に劣る日本チームにとって武器とすべきはテクニックとスピードである。ベルト監督はその点を強調し、以下のカザフスタン対策を立てた。まず攻撃面では、左右に大きく素早く動いて相手ディフェンスを揺さぶり、ディフェンスの間隙を突く。さらにディフェンス面ではコンパクトにまとまり、長身のシューターに対しては積極的にコンタクトしてシュートを阻害するというものであった。
 前半開始早々、カザフスタン11番が強引なカットインで得た7mスローを自ら決めて先制した。しかしすぐさま小松が取り返し、一進一退の攻防に突入した。対策どおり、左右に揺さぶる球まわしから金城、早船らがディスタンスシュートを決め、さらにGK勝田の好セーブも光った。カザフスタンは体格を活かしてポストを絡めたプレイで7mスローを誘った。前半は日本が先行する形で時間が経過し、一時は2点のリードを奪ったが14対15の1点リードで前半を終了した。
 後半は日本のディフェンスがよく機能した。谷口らを中心にコンパクトかつアグレッシブなディフェンス隊形を保ち、長身シューターを阻害するとともにダブルポストに優位な位置を取らせないことに徹底した。カザフスタンは日本のディフェンスに対してかなり攻めあぐねており、フリースローからの直接シュートを狙うか、7mスローを誘発するくらいでしか得点できない状態が続いた。こういった中で後半15分まで日本が常に2点リードを保ったまま時間が経過した。しかし後半16分の金城の7mスローによる得点を最後に、日本の得点が止まってしまった。逆にカザフスタンは4連続7mスローで日本との差を縮め、さらに逆転した。後半24分に佐久川が1点を返すがその後もカザフスタンの7mスローが止まらず、さらに日本のミスも手伝って結果的に28対22の6点差でタイムアップとなった。
 日本チームはこのカザフスタン戦において、極めてよい緊張感を保ち、事前の対策どおりに的を射た戦いをした。そして後半15分まではハンドボールができていた。ベルト監督を中心にフェアプレイに徹し、正当なゲームを展開した。結果として後半15分からの相手の7mスローの数や、7人もの退場者を出す展開に、カザフスタンチーム以外の何かと戦わざるを得なかったという事実は否めない。しかし我々は胸を張って死力を尽くしたと断言できる。
 この試合の結果により、本大会での1位通過がなくなったが、最終戦で勝利し、2位への望みをつなげたい。

<得点者>
田中5,藤井4,佐久川・小松・早船・金城3,水野1

   

韓 国 45 (20-10, 25- 7) 17 カタール
(1勝1敗) (2敗)





◆8/25(土)

日 本   30 (13-14, 17-15) 29   韓 国
(1勝) (1敗)
 
       速報で、得点を「29 (13-14,16-14) 28」と掲載しましたが、
          
30 (13-14, 17-15) 29が正しいスコアとなります。
          誤記につきまして、深くお詫び申し上げます

  

【戦評】
”念願の勝利!!”

北京五輪の出場権をかけた女子アジア予選がカザフスタンで開幕した。日本の初戦の相手は強豪・韓国であった。ベルトジャパンのみならず、これまでの日本女子チームがのどから手が出るほど欲しかったのが、韓国からの勝ち星である。ここカザフスタンで念願が達成できるのであろうか。
試合開始直後、韓国に2点奪取される。警戒していたポストを絡めたショートコンビでの失点であった。日本は金城や田中が得点するものの、いまいちエンジンのかかり切らない立ち上がりとなった。韓国10番OH選手がポストシュートに対して後ろから手を掛けたプレイでレッドカードを受けたが、代わって入った3番Kim選手を中心に攻撃を組み立ててきた。前半は終始韓国が先行する展開となった。日本は持ち前の”テンポ”の攻撃展開を心がけるが、韓国のアグレッシブな守りにパスのリズムを崩され、ミスが続いてしまう。しかしなんとか喰らいつき、14対13の1点差で前半を折り返した。
後半も前半と同様、日本にとってすっきりとしないスタートとなった。一方韓国はスピードのある速攻とバックプレイヤー、ポスト間の堅固なコンビプレイにより着実に得点を重ねていく。しかし韓国の攻撃パターンは日本チームにとって事前に十分に予測していたものであり、何度もビデオ分析で確認してきたものであった。これまで日本チームは”わかっていてもやられる”という歯がゆさを味わってきたが、今回はチームでそれを克服した。15分過ぎ、一度はベンチに下がっていた田中がコートにもどったあたりから、日本チームの集中力が増した。ディフェンスの動きが明らかに良くなり、なんども練習してきた”コンパクトでよく動くDF”が機能し始めた。さらに藤井、植垣の若手が要所で気持ちのよいディスタンスシュートを決めて同点とした。それからは両者一進一退の攻防が続いた。28対29の日本1点リードで迎えた残り30秒、韓国に7メートルスローを許してしまう。3番Kim選手がぴしゃりと決めて29対29の同点となる。残り時間から考えて、次の攻撃が最後の攻撃となる。残り10秒で藤井が鋭く切り込みフリースローを得た。フリースローからのパスを受けた田中が会心のステップシュートをゴール右すみに突き刺した。
時間ぎりぎりまでボールを保持して韓国に次の攻撃の時間を許さず、1点差の劇的なタイムアップとなった。
この勝利を通じて、日本チームはさらにひとステップ成長したものと思われる。次は開催国であるカザフスタンとの対戦である。ホームチームということでかなりタフな試合になることが予想されるが、本日の勝利の勢いを
そのままに、次の試合も良い結果を残したい。

<得点者>
田中9,金城7,佐久川5,藤井4,早船2,小松・水野・植垣1

   

カザフスタン 44 (20 -9, 24- 5) 14 カタール
(1勝) (1敗)



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