平成23年度 第63回全日本総合ハンドボール選手権大会<女子の部>

戦 評     

1日目(12月22日)  2日目(12月23日)  3日目(12月24日)  最終日(12月25日)  勝ち上がり表


女子最終日:12月25日(日)

オムロン 29 (15-10, 14-10) 20 ソニーセミコンダクタ    オムロンは2年振り14回目の優勝    スコアシート

 女子決勝は昨年に続いてオムロンとソニーセミコンダクタの対戦となった。5分過ぎまで1対1のスコア。ロースコアゲームを予想させたが、直後5分過ぎにオムロンは藤井のカットイン、石立のミドルシュート、高田の速攻などで6連取し、試合の主導権を握った。ソニーはオムロンのフットワークのよいDFに対し、縦に進むことができず、12分過ぎの山野のミドルシュートが2点目であった。オムロンは藤井のロングシュートで得点を重ね、ソニーは高橋の速攻、サイドシュートで押収する。21分過ぎにソニーは錦織のポスト、山野のミドルなどで4連取し、オムロンはチームタイムアウトを請求する。直後オムロンは藤井のカットイン、勝連のミドルなどで連続3得点をあげて前半終了。オムロン(15−10)
 後半、ソニー田中、張の連続得点で始まり、オムロン石立の退場などで流れはソニーに傾むく、オムロンは藤井のこの日11点目となるステップシュートで応戦するが、ソニーは田中―張のコンビネーションプレーで追い上げる展開。15分過ぎにソニーはオムロン藤井にマンツーマンを仕掛けるが、直後オムロン石立がカットインで得点するなど、一進一退の攻防が続く。20分過ぎにオムロンは永田が退場するが、ソニーの攻撃をGK藤間が立ちはだかり、攻撃では、稲葉投入で藤井・石立のバックプレーヤー三人のスピードあふれる攻撃からのポスト金へのパスが要所で決まり、残り7分で26対19と点差を広げる。ソニーは残り時間10分で張のミドルシュート1点に抑えられ、オムロンは高田のサイドシュート、永田のポストシュートなどを確実に決め、勝利を引き込み29対20でオムロンが勝利した。

オムロンが雪辱し2年振り14回目の優勝を果たした。

女子3日目:12月24日(土)

準決勝

オムロン 25 (16-14, 9-10) 24 北國銀行     スコアシート

 女子・準決勝 第1試合は日本リーグ暫定2位の北國銀行と、暫定1位のオムロンの日本リーグ勢の対戦。東濱のカットインで先制したオムロンが、北国銀行GK田代の好セーブに阻まれ追加点があげられない。その間に北国銀行はエース上町のロングシュートやGK田代からのパスを受けた若松が速攻を決めるなど序盤を5−1でリードする展開。その後オムロンDFが機能し始め、GK藤間を中心に北国銀行のシュートを防ぎ、石立のカットイン・勝連のサイドシュートなどで7−7の同点にもちこむ。北国銀行は投入した仲宗根がミドルシュートを決め流れを取り戻そうとするが、一進一退の攻防が続く。26分過ぎに北国銀行上町の退場を期に高田の連続速攻で三連取したオムロンが16−14とリードして前半終了。両チーム警告を使い果たし退場者合わせて3人の激しい試合となる。
 後半両チームGK、DFの守りあいの試合となり、10分過ぎで料チーム合わせて3点にとどまる。その後、北国銀行は上町の7m・ステップシュート、樋口のカットインで同点に追いつく。オムロンは負傷退場のGK藤間に代わった山中が、サイド・ロングと立て続けに守りオムロンのムードを盛り上げ、要所で勝連がサイドシュートを決める。残り10分で北国銀行上町が三回目の退場で失格となると流れは一気にオムロンへ傾く。藤井がロングシュート・ステップシュートを決め、ゲームメイクに徹していた石立がミドルシュートを決め4点差に突き放す。北国銀行は若松のサイドシュートで反撃し、石野のミドルシュートで一点差まで追い詰めるがタイムアップ。堅い守りとチーム全員でもぎ取った7mスローを確実に決めたオムロンが、25−24で決勝進出を決めた。

ソニーセミコンダクタ 34 (11- 9, 13-15) 31 広島メイプルレッズ     スコアシート
               (2-2 延一 2-2)
               (1-3 延二 5-0)

女子・準決勝 第2試合は日本リーグ暫定3位の広島メイプルレッズと、暫定4位のソニーセミコンダクタの日本リーグ勢の対戦。広島のスローオフでゲームは動き出す。先制点は、ソニー2番山野のミドルシュート。互いに、一進一退の展開となるが、ソニーは5対4から、キーパー12番飛田の好セーブと、2番山野の得点など一気に5連続得点で6点まで差を広げる。一方の広島も7番宋の速攻など3連続得点、2連続得点で反撃し、前半はソニーが2点差をつけて終了。後半立ち上がり、広島はキーパー1番堂面のキープから速攻による4連続得点で逆転する。ソニーは5番田中のミドルで応酬するも、再び3連続得点を許し点差が広がる。一進一退となるが、19分、ソニーは11番黒木などの連続得点から同点に追いつき、2番山野の得点で逆転に持ち込むが、広島もすぐさま追いつく。ラスト1分、同点の攻防が続きソニータイムアウトを請求するも得点ならず、逆に20秒前には広島が請求するもこれも得点に繋がらず、24対24で延長となる。第一延長は、互いに点の取合いとなり、第二延長へ。第二延長前半で、広島キーパー1番堂面の攻守備で2点差を付け決定かと思われたが、第二延長の後半、ソニーはキーパー12番飛田の好守もあり、5連続得点で一気に試合を決め、明日の決勝に進んだ。ソニー2番山野は15得点、広島7番宋も11点を上げる活躍であった。

女子2日目:12月23日(金)

準々決勝

北國銀行 34 (18-10, 16-12) 22 大阪教育大学     スコアシート

北國銀行(日本リーグ暫定2位)の今大会初めての得点は、上町の豪快なロングシュート。大阪教育大も増田のロングシュートで返す。 その後、北國銀行の速攻が立て続けに決まり、大教大のシュートはゴールバーと北國銀行GK田代の好セーブにより阻まれる。北國銀行の流れと思われた18分過ぎ、大教大の増田と乾のコンビプレイを皮切りに、4連取に成功。北國銀行の2分間退場もあり、コンビプレイに加えてGK板野の好セーブなどで点差を詰めていく。しかし、大教大のミスから着実に速攻などで得点を重ねていく北國銀行が、前半をリードして折り返す(18-10)
 後半に入り、北國銀行は速攻から得点を重ねていく。大教大はシュートまでいくものの、得点につなげられない場面が多くなる。多彩な攻撃で得点を重ねる北國銀行に対して、大教大は平良がルーズボールに必死に食らいつくなど、最後まで諦めずにボールを追いかける。今大会初戦の北國銀行が、インカレ2位の大教大に力を見せつけて勝利した。

オムロン 37 (17- 9, 20- 6) 15 三重バイオレットアイリス     スコアシート

 試合開始2分、7番藤井のシュートが決まりオムロンが先制。その後もオムロンの高く、堅い守りからの速攻で追加点を重ねる。前半12分8−1としたところで、三重がたまらずタイムアウトを要求。その後、三重は14番漆原のポストシュートなどで反撃するものの17−9とオムロンのリードで前半終了。
 後半も、オムロンは、三重のシュートをことごとくブロックし、得点を許さない。15分までオムロンが14連続得点し勝負を決めた。圧倒的な力の差を見せつけた試合であった。

広島メイプルレッズ 29 (14-12, 15-12) 24 大阪体育大学     スコアシート

 立ち上がりから両チーム共に、落ち着いた試合展開となり、両チームの持ち味を発揮し6対6と互角であった。メイプルが12分、7番宋のシュートを皮切りに3連取すると、メイプルが抜け出すかと思われた。しかし、メイプルに退場者が出たところで大体大は、すかさず4連取し、19分には10−8と大体大が逆転に成功する。メイプルは退場者を出し苦しいながらも前半終了直前の28分に12−12と追いつき、最後はメイプル6番植垣のロングシュートが決まり14−12で前半終了。
 後半立ち上がり、大体大は7mスローのリバウンドから得点を奪い1点差まで詰め寄るものの、大体大の踏ん張りもここまで。メイプルのディフェンスが機能し始め、大体大が攻めあぐねている間に着々と加点。その後の流れは変わらず、29−24とメイプルの勝利で試合終了となった。

ソニーセミコンダクタ 30 (15-15, 15-10) 25 香川銀行T・H     スコアシート

 ソニー張と香川銀行塩田の両エースの連取から始まった試合。ソニーは左腕山野のロングシュートなどで得点するも、香川銀行GK名渕の好セーブに阻まれ思ったように得点できない。香川銀行は藤井のシュートや筑後のシュートにより一進一退の試合に持ち込む。19分過ぎにソニー高橋のミドルシュートで逆転するが、その後香川銀行の三連取を許し再逆転される。前半残り2分に張のカットインシュートで追いつき逆転まで持ち込むが、ノータイム7mスローを香川銀行塩田が確実に決め、15−15の同点で前半終了。
 ソニー山野、香川銀行藤井のロングシュートで始まった後半戦。ソニーのフットワークが冴え
GK飛田を中心してDFが安定してくる。ソニーは香川銀行にスペースを与えないDFから速攻を絡めて5連取して一気に流れをつかむ。香川銀行は坂部のカットからの速攻で反撃するが、ソニー田中―張のコンビネーションに翻弄され失点を許す展開になる。DF力に勝るソニーが30−25で勝利した。

女子1日目:12月22日(木)

1回戦

大阪教育大学 29 (11-10, 18-10) 20 HC高山     スコアシート

 女子大会初戦はインカレ2位の大阪教育大学と、次年度国体開催県、ジャパンオープン2位のHC高山の対戦。HC高山のスローオフで女子の大会の幕が切られた。立ち上がり、大阪教育大学は、8番松村のパスカットから先行、一気に5連続得点で気勢を上げる。その後も、5番乾の得点で加点する大阪教育大学に対して、HC高山も6番柴田の速攻など4連続得点と、キーパー山下の好セーブで1点差まで迫り、前半を終了。
 後半、直後に同点に追いついたHC高山は、10分には2番の八重のカットインなど3連続得点で一気に逆転する。しかし、大阪教育大学は相手の攻撃ミスにつけ込み、17番倉谷の速攻など5連続得点で、再び突き放しにかかる。その後は、HC高山9番宮ノ腰のミドルシュートなどで迫るも、一進一退の攻防が展開。大阪教育大学は、終盤には速攻などで6連続得点で9点差を付け、二回戦に勝ち上がる。

三重バイオレットアイリス 32 (17- 8, 15-14) 22 日本体育大学     スコアシート

 大会第二戦は、インカレ3位の日本体育大学と、現在、日本リーグ5位の三重バイオレットアイリスの対戦。三重のスローオフで開始したゲームは、三重18番村尾のサイドシュートで動き出す。開始7分には、5対1と三重が圧倒、堪らず日体大はタイムアウトを取る。日体大6番高橋、10番原で反撃するも、暫く、一進一退を展開する。17分、日体大の選手の退場を挟み、三重は一気に6連続、3連続得点などで9点差で前半を終了。
 後半も、日体大の選手退場を絡め、3連続得点で更に点差を広げる。一方の、日体大も、三重の選手の度重なる退場の機会に、キーパー毛利の好セーブで点差が縮まらない。終盤には、日体大10番原のロングシュートなど4連続得点で迫るも、三重も6番阿久田のロングシュートで応戦。終われば、10点差を付けて三重が逃げ切り明日に駒を進めた。

大阪体育大学 27 (12-11, 15-13) 24 HC名古屋     スコアシート

 大会第三戦は、現在、日本リーグ6位のHC名古屋と、インカレ初優勝で気勢の揚がる大阪体育大学の対戦。名古屋のスローオフで開始した試合は、11分過ぎまで、一進一退の展開となるが、大体大の選手の退場を機に、名古屋は3連続得点でゲームの主導権を取る。堪らず、大体大はタイムアウトを取り、展開を変える。直後、大体大は、8番田邊、2番長尾、9番高山の3連続得点で同点に追いつく。22分には2番長尾の得点で、このゲーム初めて先行し、そのまま1点差で前半を終了。
 後半立ち上がり、大体大は連続得点で突き放しに掛かり、名古屋の4番佐藤、13番秋山などの攻撃を単発に抑え、13分にはこのゲーム最大の5点差を付ける。その後は、一進一退をの展開となり、ラスト5分には名古屋は大体大3番河田にマンツーマンを付け反撃を試みるも、大体大が3点差で逃げ切り明日に駒を進めた。

香川銀行T・H 33 (16- 7, 17- 7) 14 JHAジュニアアカデミー選抜     スコアシート

 一回戦・最終戦はジャパンオープン5連覇の香川銀行THと、推薦枠のJHAジュニアアカデミーの対戦。香川のスローオフで開始した試合は、香川が先行して動き出す。互いに連続得点が奪えず一進一退の展開となるが、14分香川のタイムアウトを機に、流れが一気に香川に向かう。ジュニアアカデミーは、2番川俣、7番竹下、10番森本で反撃するも連続得点が奪えず、香川の3番塩田、14番北村などの3連続、6連続得点を許し前半を16−7の9点差で終了する。
 後半も、立ち上がり香川が連続得点で更に引き離しに掛かるが、ジュニアアカデミーも応酬するが、香川の勢いは止まらない。その後も、キーパー名渕の好守備で連続得点を重ね、14分にジュニアアカデミーがタイムアウトを取った時には、15点差まで開く。その後は、一進一退の展開となるが、終盤には点差を更に広げ、香川が明日に駒を進めた。

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