平成25年度 第65回全日本総合ハンドボール選手権大会 <男子の部>
< 戦 評 >
決勝戦 |
大崎電気
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32 (18-12, 14-12) 24 |
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大同特殊鋼
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大崎電気は、3年振り11回目の優勝 |
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スコアシート |
戦評: 全日本総合決勝は、大同のスローオフでスタート。大崎E豊田のカットインシュートで幕を開ける。大同もすかさずI岸川のミドルで同点とする。大同は序盤、大崎24信太にマンツーマンでマークするが、大崎の高い個人技に連続得点を許す。点を取り返したい大同だが、大崎の高い壁にシュートを阻まれ、なかなか得点できず、大崎24信太の速攻で3−6とリードされた前半6分にタイムアウトを請求する。タイムアウト後、大同はマンツーマンマークをやめ、3−2−1ディフェンスにシステムを変更する。そのディフェンスが機能し、粘り強いディフェンスから速攻などによる連続得点で前半15分には9−8と逆転する。しかし、そこから大崎も速攻、ミドルなどで5連取し、13−9と再逆転。前半終了間際にはB小澤の逆スピンシュートが決まり、18−12の大崎リードで前半を折り返す。
後半は大崎の3連取から始まり、リードが徐々に広がる。後半8分、9分には大崎に連続退場があり、大同にチャンスが訪れるが、2度のノーマークシュートをO木村の好セーブに阻まれ、差を縮めることができない。その後は一進一退の攻防となるが、要所でO木村のスーパーセーブが飛び出し、流れを渡さなかった大崎が32−24で3年ぶり11回目の優勝を果たした。
戦評: 前半は大崎電気B小澤のスカイプレーでスタート。大崎電気は、M岩永のロングシュートや、E豊田の速攻で得点。対するトヨタ車体は、D高智のミドルシュートや、H高木のポストシュートなどで得点。両チームとも多彩な攻めで全く譲らず交互に得点を重ね、互角の展開となり、17−17の同点で前半が終了した。
後半開始5分過ぎ、トヨタ車体の退場が続く間に大崎電気が6連続得点し、8分、23−19とリード。その後、トヨタ車体は、D高智、22門山を中心に、1点差まで追い上げるものの、大崎電気GKO木村の好セーブもあり、32−31で大崎電気が逃げ切った。
戦評: 立ち上がり、大同はB野村のロングシュート、対する湧永はH佐藤のブラインドシュートが冴え渡り、12分を過ぎ、5−5の同点、両チーム互角のすべり出しとなる。その後は、大同がリードし、湧永が追いつく試合展開が続く。この形勢が逆転したのは、25分、B木村のポストシュートで10−9とこの試合初のリードを奪った湧永は、H佐藤もカットインで続き11−9、リードを2点に広げる。一転追う立場となった大同もL加藤のポストシュートで湧永の連続得点を断ち切り11−10、前半は湧永1点リードで折り返した。
後半、さらにリードを広げようとする湧永の前に立ちはだかったのは大同GKK久保、好セーブの連続で流れを一気に引き寄せる。そして、10分、大同はH武田が豪快にロングを叩き込み14−13、逆転に成功する。流れを掴んだ大同は、18分、B野村のロングを皮切りに5連続得点で21−15とリードを6点に広げ勝利を一気にたぐり寄せる。終盤、高い位置からプレッシャーをかけるディフェンスで反撃を試みる湧永であったが、大同の勢いを止めることはできずタイムアップ。GKK久保の好守が光り、大同が30−24で勝利した。
戦評: トヨタ車体のスローオフで前半スタート。車体D高智のミドルシュートでゲームが動き始める。東日本は、I玉井を中心としたオフェンスで粘り強く車体についていく。一進一退の競り合いがしばらく続いたが、17分過ぎ、東日本D遠山の2分間退場を皮切りに、車体が突き放しにかかる。車体22門山の連続得点から一気に7連取で、18−9と9点リードで前半を折り返す。
後半立ち上がりに成功したのは東日本。車体はノーマークシュートを外し、リズムが作れず、14分にたまらずタイムアウトをとり、立て直しを図る。車体I木切倉の5連続得点で流れを引き戻し、33−25で勝利を収めた。
準々決勝 |
大崎電気
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46 (23- 8, 23- 9) 17 |
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トヨタ紡織九州
レッドトルネード |
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スコアシート |
戦評: 開始30秒、大崎24信太のロングシュート、紡織F呉のステップシュートで1−1のスタート。紡織は4−2の高いディフェンスで、オフェンスはI海道のゲームメイクからA中畠のロングで点を取る。大崎は6−0ディフェンスで、オフェンスは24信太、G東長濱がロングで効果的に加点。10分で7−5と大崎が先手を取る。紡織の退場を機に、15分で12−6と点差が開き、ダブルスコアに。その後も大崎のディフェンスが固く、紡織は攻めあぐむ。大崎GK@浦和の矢のようなスローからの速攻やE豊田のカットインで、前半大崎が23−8とリードして終える。
後半追いつきたい紡織は、A中畠のカットインでスタート。3分で後半2−2と頑張りを見せるが、大崎も後半出場の23時村、F宮崎がロングを決める。大崎がよく走り、速攻でさらに点差が離れ、トータル20点差がつく。たまらず紡織がタイムアウトをとる。紡織もメンバーを入れ替え、突破を試みるがシュートが入らず、大崎がセット、速攻で点を積み上げる。終わってみれば46−17と大差がつき、タレントのそろった大崎の固いディフェンスと「走り」・シュート力が際立った。紡織も最後までよく走り、シュートを狙い、健闘を見せたゲームだった。
戦評: 琉球コラソンのスローオフでゲーム開始。琉球コラソン、は、D村山や@棚原のステップシュートで攻めるが、GK@志水に阻まれる。湧永はD成田のステップシュートや力強いカットインで連取。それに続き、J樋口やH佐藤のミドルシュートで追加点を決め、開始5分、4−0で湧永のリード。それに対し、琉球コラソンはマンツーマンディフェンスをしかけ、湧永の勢いを止めにかかるが、スピードのある速攻やするどいカットインで攻め込まれる。D村山のロングやN松信のステップで点を決めるも、湧永に追加点を許し、前半は17−5で湧永がコラソンを突き放した。
後半はコラソンが高いディフェンスで足を使って守り、速攻でシュートを決め、リズムをつかんだ。後半15分、湧永が2分間退場でコラソンは反撃のチャンスを得たが、GK@志水がノーマークを連続セーブし、点差を詰めることができなかった。湧永は要所を押さえ、追加点を重ね、前半のリードを保ったまま、粘るコラソンを振り切り、25−16で勝利を収めた。
戦評:大学勢として男子で唯一準々決勝へ駒を進めた大阪体育大学と大同特殊鋼との一戦は、大阪体育大学のスローオフで始まった。大同はJ平子のサイドシュート、22高の速攻で2点を先制するが、大体大は、J酒井の3連続得点で逆転する。その後は、お互いに点を取り合い、5−5の同点となった10分すぎから、大同が4連取し、リードする。大体大はタイムアウト後、I稲毛のサイドシュートやJ酒井の速攻でリズムをつかみかけるが、大同もL加藤のポストシュートやJ平子のサイドシュートなどで得点を重ね、大同が22−14の8点リードで前半を終えた。
後半は大体大G柴山の速攻で幕を開ける。その後、大同は22高のカットイン、M千々波のサイドシュートでリードを広げるが、大体大もJ酒井の速攻やI稲毛のカットインで得点をあげる。大同はタイムアウト後にB野村、I岸川の得点などで、30−19とリードを11点に広げるが、大体大もL子安のカットインなど3連取で粘りを見せる。さらに大同に退場者が出たところでF伊藤のポストシュートなどで差を縮める。その後は、お互いに点を取り合い、大同が30−31で勝利した。
戦評: トヨタ自動車東日本のスローオフで試合が始まる。豊田合成がL今村のポストシュートで先制点を挙げる。その後は、豊田合成@藤戸、東日本K関口の好セーブが光り、両チームともになかなか得点を挙げられない。前半15分まで5−3で豊田合成の2点リードというロースコアの展開となる。激しい攻防の中、東日本はQ上野のミドルで同点に追いつく。さらに東日本はI玉井の得点で勝ち越すが、合成もP岡山のミドルで同点とする。その後、両チームに退場者が出るが、お互いにオフェンスのリズムがつかめない。その中で東日本は28分すぎA濱口のミドルで10−8の2点差とするが、合成も7人攻撃から、H中島の得点で1点差とし、前半を終えた。
後半も息づまる攻防が続く中、合成は、C野田、J加藤の連続得点で16−14の2点差とするが、、東日本もI玉井のミドル、G松本の速攻で同点とする。その後、一進一退の攻防が続く中、18分過ぎ、東日本がタイムアウトをとる。タイムアウト後、東日本は、I玉井のカットインでリードするが、合成もM中村のポストシュートで同点に追いつく。東日本F河内のカットイン、A濱口のミドルなどで東日本が23−20と3点リードしたところで、合成は7人攻撃を試みるが得点を挙げられない。その後は、お互いに得点を重ねるが、東日本が28−25で勝利した。お互いのGKの好セーブが光った好ゲームであった。
戦評: 早稲田大のスローオフで試合が始まる。両チームほぼ互角の立ち上がりから抜け出したのは、トヨタ紡織九州R鈴木のサイドシュート、F呉、S藤山のカットインで得点を重ねる。対する早稲田大は、F桐生のゲームメイクから、E東江のミドルシュート、J齊藤のサイドシュートとジワジワ追い上げ、前半15分同点に追いつく。両GKの好セーブが光り、一進一退の競り合いが続いたが、E東江、P田中の連続得点で点差を広げる。前半26分30秒、トヨタ紡織九州はたまらずタイムアウトを取り、立て直しを図るが、早稲田大@岩下のキーピングの前に得点が伸びず、3点差で前半を終了した。
後半立ち上がりトヨタ紡織九州はA中畠のミドル、I海道の速攻などですぐさま同点に追いつく。早稲田大のミスを見逃さず、トヨタ紡織九州は、E村上の速攻で点差を広げる。残り2分、早稲田大はマンツーマンディフェンスをしかけ、学生王者としての意地を見せるが、地力に勝るトヨタ紡織九州がそのまま振り切った。
戦評: 琉球コラソンのスローオフで、前半戦がスタート。琉球コラソンN松信の速攻で、コラソンが先取点を挙げるが、中京大もクロスプレーからD小塩のミドルシュートで同点に追いつく。しかし、中京大はコラソンの高い位置からのディフェンスに対して、シュートまでいけない時間が続く。コラソンはその間に、速攻で押し込んでのミドル、カットインプレーで連続得点を奪う。6−2となった前半8分27秒に中京大はたまらずタイムアウトをとる。しかし、流れは変わらず、その後もコラソンが速攻で得点を重ねる。23分にはコラソンが1人退場するが、中京大は流れをつかめず、17−7コラソンのリードで前半を終える。
後半は立ち上がりから両チームのGKの好セーブもあり、得点が入らず、一進一退の攻防が続く。そんな中、コラソンは6分、6分14秒に立て続けに退場者を出し、中京大は流れを掴むチャンスだったが、コラソン22石田の好セーブに阻まれる。しかし、中京大は後半、ディフェンスでよく脚が動き簡単に得点を許さず、オフェンスでもポストを有効に使い、点差を縮めていく。中京大D小塩のミドル、A中野のカットインで27分には差を6点まで縮めるが、その後のチャンスをコラソン22石田に阻まれ、30−22でコラソンが勝利を収めた。
戦評: 北陸電力のスローオフで始まった。北電D桜井のステップシュートで先制点をとった。大体大G柴山のミドルシュートを皮切りに、C田中、L子安の3連取で、試合の主導権を握った。北電は、ディフェンスが機能し始め、GKO川添のファインセーブで粘りを見せ、オフェンスはポストのI小川を中心に得点を重ねていった。大体大もスピードのある速攻を見せ、一進一退の攻防が続き、14−13と大体大が1点リードで前半を終えた。
後半のスタートは、大体大の2連続得点で、点差を3点に広げた。北電もコンビネーションプレーから確実に点数を重ねた。勝負は終盤に持ち込まれ、大体大C田中の連続得点、I稲毛のスカイプレーを決め、粘る北電を振り切り、28−27で試合を終えた。
戦評: 高い3−2−1ディフェンスの東日本に対して、日体大はD小山のカットイン、A元木、J藤江の多彩な攻撃で、5−1とリード。その後は、一進一退の展開が続いたが、12分過ぎからH吉田、E川端らの5連続得点で、8−10と2点差に迫り、22分にI玉井のシュートで遂に同点。両者クイックスタートなど速い展開が続いたが、GKの好セーブ、J藤江、S金丸らの速攻により、日体大が1点リードで前半を折り返す。
後半の立ち上がりに成功したのは、東日本。2分にI玉井のシュートで、この試合初のリードを奪い3点差とする。その後は、両者互角の展開で進む。途中、両者ヒートアップする場面が見られたが、後半立ち上がりのリードを守った東日本の勝利。マンツーマンディフェンスなど最後まで諦めずにプレーを続けた日体大の健闘にも大きな拍手を送りたい。
戦評: 両チームとも動きのある機能的なディフェンスとスピードのある速攻で試合を展開した。
前半はHONDAG伊藤の7mTでスタート。その後、H高見のサイドシュートなどで4連続得点し、試合の主導権を握ったかに思われた。しかし、早稲田大もコンビネーションプレーや速攻などで着実に得点を重ね、粘りを見せ、16−11のHONDA5点リードで前半を終了した。
後半は開始から早稲田大が5連続得点をし、一気に流れを呼び込む形となった。そして、開始10分ついに逆転した。流れを引き戻したいHONDAもGK@大畑の好セーブやE竹田のミドルシュートなどで粘りを見せるが、要所を押さえてリードを保った早稲田大が逃げ切り、32−26で終了した。
戦評: 序盤は両チームのGKの好セーブが続き、ほぼ互角の立ち上がりとなった。その後、中京大は、11分過ぎ、M池谷のサイドシュートを皮切りに4連続得点を奪う。たまらずタイムアウトをとった長崎社中だったが、中京大の勢いを止めることができず、6−15と9点差をつけられ、前半を終えた。
後半は、長崎社中C松永健のサイドシュートでスタート。長崎社中はGKK古田の好セーブもあり、中京大に得点を許さない。J三宅を中心とした攻撃で得点を重ね、後半22分、ついに同点とする。残り8分の勝負となったが、中京大D小塩がカットインを決め、粘る長崎社中を2点差で振り切った。
戦評: 男子1回戦は大体大のスローオフで幕を開けた。先制点は開始40秒、大体大のG柴山。シュートを打たれるも、好セーブもあり、勢いに乗った大体大は、スピードのある攻撃による6連取で、HC岐阜を突き放す。HC岐阜は大体大の積極的なディフェンスに阻まれ、思うように攻撃できない中、9分過ぎ、L小川がルーズボールから初得点を決めた。ここから徐々に調子を上げていき、前半15分から3連取で4−8と追い上げる。この後、互いに得点する中、大体大は26分過ぎから4連取でリードを広げ、15−6で前半を終えた。
後半はHC岐阜の2連取から始まった。その中、後半4分30秒に大体大はI稲毛が退場となるも、点差を詰めさせず、ここから一進一退の攻防となった。後半13分にはHC岐阜がマンツーマンディフェンスに変えるが、点差は変わらず、後半18分にHC岐阜がタイムアウトを取った時点で17−26とリードを許し、ディフェンスを戻した。その後も点差は変わらず、試合終了間際に大体大のE藤川が得点し、33−24で大体大が勝利した。
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