新刊紹介

「スポーツコミュニケーション」

B5判 200ページ 定価2,000円+税  2011年6月9日 ブックハウスHDより発売(一般書店に置いてないので、左記ホームページからご購入下さい)

東海林 祐子(TOKAIRIN Yuko旧姓:樫山) 著(慶應義塾大学総合政策学部専任講師・瓊浦高校元監督)

 女性指導者として男子高校ハンドボール部を率いてインターハイ、国体で優勝(女性指導者の全国優勝は初)した

経験を有する著者だが、懸命であるがゆえに厳し い練習になり、選手の気持ちをつかむことができなかった。そこから、

考え、気づき、実行に移していったのちにつかんだ全国優勝だが、そこに至る選手とのコ ミュニケーションがキーだった。

その過程および、そこで行われたことをベースに、さまざまな理論と実践が培われた。本書は、その理論と実践を具体的に

示 す。スポーツ現場の指導のみならず、企業や団体での講習にも使える内容。多数のワークシートも収録。
目次

序文

はじめに

1章 スポーツコミュニケーションとは何か
1 スポーツの楽しさの解明と裏づけ
2 指導者がもつ着眼点を解明した
3 傷ついて考える、自己改革が指導者としてのスタート
4 自分自身が指導者として成長したと思われる瞬間はどんなときか?
5 指導者の考えを押しつける指導法からは生まれるものは少ない
6 勝利のために厳しさばかりを追求していた日々
7 選手の心に飛び込むためには?
8 練習前が選手の意欲のバロメーター
9 指導者の想いを選手と周囲に伝えることが勝利への近道
10 指導者と選手の秘密をもつ、想いを共有する、そして選手の役割をつくることがチーム力につながる
11 アスリートが獲得するライフスキル
12 スポーツの魅力とその発信、アスリートの力を社会貢献に!

2章 自己改革とコミュニケーション
1 選手をやる気にさせるには
2 練習メニューの引き出しを増やし、物語のような練習に!
3 事例にみる練習教材の工夫
4 “ただ、がむしゃらに……”では選手は満たされない
5 選手の心に入っていく準備
6 2年間のケガのスランプを支えてくれた人の存在に気づく
7 指導者がまず自分をみつめる
8 自分をみつめたら選手の内面を観察する
9 選手にとっての「揺さぶられるような体験」とは何か?
10 内面を読んだら状況を把握して実践
11 選手の心に入る瞬間を逃さず観察

3章 目標の設定とコミュニケーションの関係
1 詳しくて具体的な目標を設定しよう
2 短期目標で個人のパフォーマンスの目標を明確にしよう
3 短期目標の積み重ねによる達成感が自信につながる
4 選手への効果的なアドバイスも忘れずに
5 目標設定のためのツール いろいろなタイプの目標設定シート
6 企業の人材育成より
7 目標の設定とそれがどう試合で実践できているかを確認する作業、客観的な指標が大切
8 目標設定シートはあくまでもスキルアップの道具
9 選手とのコミュニケーションの距離を計る
10 指導者として謙虚であることの必要性を確認できる

4章 コミュニケーションを創り出す空間 ──オン・オフの状態とその空間を考える
1 緊張感のあるオンコートと緊張感のないオフコート
2 選手と楽しく会話ができない
3 オフコートで選手の友人を介してコミュニケーションを図る
4 オンコートだけでなくオフコートでも大切にしたいコミュニケーション
5 指導者が自己開示するということ
6 指導者は人生の先輩である
7 オフコートにおけるオンの状態は意欲を上げる
8 オン・オフコートにおけるそれぞれのコミュニケーションの特性
9 オフコートにおける心地よいオンの状態
10 オンとオフは自然な流れをつくること

5章 ライフスキルプログラムで「考え」を引き出す
1 ライフスキルとは
2 「アスリートのためのライフスキルプログラム」研究会
3 ライフスキルを獲得する、考える力を引き出すためのプログラムの実践例
4 練習の現場は自分への挑戦ができるライフスキルプログラムである
5 ライフスキルを構成する10の要素
6 チーム指導のためのライフスキルの指標
7 ライフスキルプログラムの作成が、自らのライフスキルを獲得することにつながる

6章 モチベーションについて
1 モチベーションアップとモチベーションダウン
2 選手をやる気にさせる言葉かけとタイミング
3 スポーツ場面だけではないモチベーションの要因
4 モチベーションアップのための合宿
5 つらく厳しい局面は、選手を前向きにさせるチャンス
6 ケガはモチベーション低下の大きな要因
7 チームの想いを部員に伝えてモチベーションをアップさせる
8 ツイッターを通じて気づきを促し、モチベーションアップ
9 ミーティングを活用してモチベーションアップ
10 部訓の作成と作成のプロセスでモチベーションアップ

7章 思考の流れをつくる
1 思考の流れ
2 コミュニケーションは聴くことから
3 選手が謙虚になる瞬間
4 選手の叱り方
5 思考の流れをつくる
6 講習会を通じて思考の流れをつくる
7 練習の流れを最終目標から逆算して構成する

8章 期分けとコンディショニング
1 期分け(ピリオダイゼーション)とは
2 実践に役立つミクロ周期とメゾ周期
3 ピークをどこにもっていくべきか、予想以上に伸びた1年目
4 疲労が蓄積された2年目
5 コンディション第一の3年目
6 練習後のおにぎり作戦
7 ケガを防ぎ、自信を取り戻したウェイトトレーニングと効果的な期分け
8 戦術的ピリオダイゼーション

9章 アスリート・指導者とライフスキル
岡本依子・元テコンドー選手、アスリートネットワーク
小島茂之・陸上100m元選手、株式会社アシックス
加藤貴昭・元野球選手、慶應義塾大学環境情報学部教員
堀越正己・元ラグビー選手、立正大学ラグビー部監督
■インタビューを終えて
 アスリートとライフスキルの関係を考える
大後栄治・神奈川大学陸上競技部監督、同大学教授
■インタビューを終えて
 指導者のライフスキル獲得のメカニズム

10章 スポーツ振興とスポーツイノべーション
1 日本におけるスポーツ政策と課題
2 スポーツの価値を伝える企業スポーツの衰退
2 事例1 アスリートの「自信、自律、自立」を発信する――アスリートネットワーク
2 事例2 大阪ガス陸上競技部によるNOBYの挑戦――NOBY Track and Field Club
2 事例3 企業スポーツと学校体育と地方競技団体の連携――オムロンハンドボール部
2 事例4 引退のない、いつでも帰ってこられるクラブを目指す――つくばFC
2 事例5 大学生の力を地域に生かしライフスキルを育む環境をつくる

ワークシート集
あとがき

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