インターネットの発達により、即座に世界のハンドボールの情報に触れることができる。
しかし、大変残念なことに、世界と日本のハンドボールに違いがある。今回は、大会運営、
競技運営にいくつかの違いがあるということを紹介したい。9月には念願のオリンピック出
場をかけ、愛知県豊田市において北京オリンピックアジア予選が開催される。世界と日本の
ハンドボール文化のちょっとした違いを感じながら、大会を観戦し、日本代表チームを北京
に送り出していただけるように応援お願いします。
大会開催前日に、参加チームが一堂に集まる代表者会議が開催される。会議の最後に、全
試合のユニホームが決定される。国内で見られる、試合当日のオフィシャル席前でユニホー
ムを並べるという光景はない。日本では選手登録は締切日が決められており、それに基づき
プログラムが作成されるが、国際大会は代表者会議の席上で確定する。背番号が申し込みリ
ストと大幅に異なるということは、国際大会にとっては普通のことである。このことは、プ
ログラムと背番号が違うというクレームにつながる。日本の厚いプログラム製作ではこの問
題は解決しない。日本で開催する国際大会では、プログラムの不備としてとらえられること
が多く、大会運営者として残念に思っている。
日本の試合では、試合開始30分前にリストを提出させ、その後の変更を認めていないが、
国際試合は1時間前にリストを提出し、怪我をすれば交代することが許されている。公式記
録用紙は両チームの点数、個人の得点数、罰則数を記録することは変わらないが、日本はラ
ンニングスコアを記録することで試合の流れが確認でき、現状では変更するに及んでいない。
ハンドボール用語も異なる用法をしている。45°がバックプレーヤー、サイドがウィング
プレーヤー、ポストがピボットプレーヤーと称している違いがある。用語は長い年月をかけ
定着していることから、修正するのには時間を要さなければならないであろう。
反面、今年度4月より、チーム役員にA〜Dのカードを着用することとした。国際大会で
実施している方法であり、すぐに実行できるので実施に踏み切った。
このように日本国内と国際試合とでいくつかの相違があるが、できるだけ早急にその違い
をうめていきたいと考えている。長い年月をかけてきた日本流には経緯があり、早急に変え
るにはやや抵抗がある面もあろうが、国際感覚を得るためにも、多くのハンドボール関係者
に理解を得ながら、修正を図っていきたいと考えている。
(財)日本ハンドボール協会機関誌「ハンドボール」2007年9月号より転載
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