<平成17年度事業計画> (財)日本ハンドボール協会
基本方針
本年度の日本ハンドボール協会の課題は、次回の北京オリンピック出場にむけての体制を強化してい
くことである。男子は1988年のソウル以来、女子は1976年のモントリオール以来オリンピックの出場を
逃している。日本のハンドボール界が一丸となって北京オリンピック出場を果たし、夢と希望を現実の
ものとするとともに世界及び日本に向かって、日本のハンドボールの力をアピールしていかなければな
らない。
日本ハンドボール協会はプロジェクト21構造改革を進めているところであるが、このプロジェクト
の三本の柱であるオリンピックプロジェクト、競技者の育成システムであるNTS、そしてこの二つの
課題の土台となるべきジュニア3000プロジェクトをより強力に進めていき、北京オリンピック出場
とともに、将来に渡って強化と普及を進めていく土台を構築していかなければならない。
財政事情は依然として大変に厳しいものがありますが、日本ハンドボール協会の諸事業を三つの事業
に連動し効率的に予算化することや、マーケティング事業による事業収入の増大、協賛金の獲得、ある
いは、登録制度の見直し等によって財源の確保をしていくことが必要である。
現代におけるスポーツは、その必要性が益々大きなものになり、ハンドボール協会の事業も拡大して
いる。スポーツをする人や見る人の育成とともにハンドボール競技そのものを支え運営していく次代を
背負う人材の育成も急務な課題となっている。
本年度は以上の課題を踏まえ、各部門が連携して事業を積極的に展開して参ります。
1.普及指導に関する事業
≪ 普及関係 ≫
【 基本方針 】
1. 普及委員会
(1) 普及プロジェクト21推進会議の設置
・ブロック会議
少年チームの実態、創設の方法、指導者育成、ネットワークの構築
(2) 公認指導者体系の整備
(3) 普及施策の検討
・U−15対策会議(中学生大会実施検討)
・地区大会・交流会の開催
・異種目スポーツとの連携事業
2. 小学生専門委員会
(1) 小学生を中心としたジュニアチームの育成
・市町村協会でのスポーツ教室、スポーツクラブの育成
・郡市町村ハンドボール協会の設立促進
・チーム登録の徹底
3. 学校体育ハンドボール検討専門委員会
(1) 指導要領対策
(2) 小学校における教科体育ハンドボール授業の実践推進
(3) 小・中・高の教科体育における一貫指導体系の確立
4. 中学生専門委員会
(1) チーム登録の徹底
(2) 指導者養成、チーム育成事業の充実
5. 生涯ハンドボール体系の確立
(1) ビーチハンドボールの普及
・全国大会の開催
(2) マスターズハンドボールの普及
(3) 車椅子ハンドボール等の支援
6. 女性委員会(プロジェクト)
(1) 女性指導者の把握を目的として、平成17年度協会登録チームを対象に質問紙調査を実施する。
(2) アンケートを集計、結果のフィードバックは都道府県協会女性委員会担当窓口宛。
(3) 普及・育成の観点から今後の活動計画を決定する。
【 重点施策 】
1. 小学生チームの運営研究
・小学生専門委員会を中心としてスポーツ教室、クラブチーム、ブロック・都道府県における小学生チームの組織化
・ブロック大会の充実
・大会運営方法の検討
2. 小学校教科ハンドボールの普及と次期指導要領改訂対策
・実践研究発表会の充実(第1期(平成15,16年度)実践19校報告)
・研究指定校制度の継続、報告書のまとめ
・発育発達に応じた指導マニュアルの作成
3. 中学生チームの普及と活性化
・全国中学生大会の実施
・(財)日本中学校体育連盟との連携
・NTSとの連携
4. 生涯ハンドボール体系への基盤整備
・ 少年スポーツ教室・クラブの充実・マスターズ大会の充実
5. ビーチハンドボールの普及
・ 講習会の開催、審判員の養成
≪ 指導関係 ≫
【 基本方針 】
1. 指導者の育成
(1) 指導組織の整備
(2) 都道府県における日本協会公認J級指導員及び(財)日本体育協会公認ハンドボール指導員の養成
(3) コーチレフェリーシンポジウムの開催
(4) 大学における(財)日本体育協会公認ハンドボールコーチ専門科目認定コースの設置について
(5) 講習会講師の育成と組織整備
2. 公認指導者の義務づけについて
3. 海外派遣による研修と情報収集
4. 技術・指導情報の広報
5. NTSとの連携
【 重点施策 】
1. 日本協会公認J級指導員養成、(財)日本体育協会公認ハンドボール指導員養成講習会の実施
・U-19までの指導体系の確立
2. コーチシンポジウムの開催
・上級指導者養成
3. 公認指導者組織の整備
・各ブロック・都道府県における研修体系の確立
4. NTSとの連携
2.競技運営に関する事業
【 基本方針 】
1. 日本協会主催、共催大会及び国際大会の管理運営にあたる
2. 大会運営、競技運営の組織化を具体化する
3. 大会システムの再編を図る
4. 競技用具検定制度の推進及び整備を図る
5. 国民体育大会の活性化、簡素化、効率化の推進を図る
【 重点施策 】
1. 各加盟団体の競技委員会組織の確立と組織的運営にあたる
2. 大会運営、競技運営の組織化を図るためにも競技役員の資質向上をめざし、養成を図るとともに、運営の普遍化を具体化する
3. ジャパンオープントーナメント、年令別大会の組織化を図る
4. 競技用具の検定制度の推進及び整備を図るとともに、大会における検定・公認用具、検定・公認備品使用の徹底を図る
5. 国民体育大会に関する諸問題を整理検討する
6. 競技運営マニュアル平成17・18年度版の発行
3.国際に関する事業
【 基本方針 】
1. 世界大会出場時の支援(連絡・交渉・情報収集など)
2. 国際ハンドボール連盟への貢献
3. アジアハンドボール連盟への貢献
4. 東アジアハンドボール連盟への支援
【 重点施策 】
1. (財)日本ハンドボール協会の国際的地位向上
・IHFの役員、委員となる環境を整えるため、IHF開催の大会、会議等に国際委員を派遣(年間2回又は2名)する
・AHF・EAHFの役員、委員としてAHF・EAHF開催の大会、会議等に国際委員を派遣(年間2回又は2名)する
・国際会議・大会等で各国代表等と交流し、日本に対する理解を深める
2. 外国の情報を収集
・試合ビデオなどの、各国情報を収集する
・国・地域などで開催される大会などの情報を入手する
・ 西欧・東欧・北欧・アフリカ・中近東・東アジアの情報収集のための拠点(JICA、現地日本人会との連携)を作る
3. 東アジア地区の連携強化
・競技会実施のための支援
・コーチ・レフェリー研修会等の支援
4. 国際大会、海外交流の支援
・国際大会出場チーム、海外派遣選手の支援
・国際会議、研修会等の派遣役員の支援
4.競技規則(審判)に関する事業
【 基本方針 】
1. 審判員の資質の向上
日本のハンドボール技術向上は、審判員の技術向上があって実現する。トップレフェリーを
含め全体のレベルアップを図る。
このためには、コーチ及びプレーヤーとコミュニケーションを図る必要があり、トップレフ
ェリー研修会に多くのコーチの参加を促し、その実現を図る。
2. 競技規則運用の精度を高める
競技規則改正年度にあたり、8月1日施行に向けての伝達の徹底を図るため、審判合同会議・
全国審判長会議等での伝達、また競技規則運用面での問題の吸い上げをはかり、国内外での
大会に支障のない状態を作る。
3. 審判員の評価活動
研修会・講習会の成果確認と新たな課題の把握・評価を行うため、審判員審査指導委員を多
くの大会に派遣し、現状の指導ポイント課題を探る。
【 重点施策 】
1. 視聴覚教材の充実
審判員の資質向上を図る有効手段として、VTR・DVD等の視聴覚を駆使することは最も有効手
段と考える。そのため機材の充実とスタッフの充実を図り、全国からの問題映像を編集し見
解を統一していく。
2. NTSとタイアップした講習会の充実
全国大会担当審判員、日本リーグ担当審判員及び技術指導者を一堂に集めた 従来のトップ
レフェリー研修会の継続と、NTS ブロックトレーニングとタイアップしたB〜D級を中心と
するブロック審判講習会を実施し、反則と技術の研究を深めるとともに、底辺から審判技術
の向上を図る。
3. 継続的行事の実施
都道府県協会認定のD級、ブロック協会認定のC級、日本協会認定のA・B級審判審査、審判員
評価、JHAレフェリーコース、審判部合同会議のあり方を充実させ、審判部運営の充実を図る。
5.競技力向上(強化)に関する事業
【 基本方針 】
セクションを越えた協力体制で北京オリンピック出場
北京オリンピック出場のための強化施策立案と同時に、日本ハンドボール協会の強化に関して
「構造改革」を実施する。したがって、NTS をシステムとした「発掘・育成・強化・指導」に
ついて、競技者育成技術委員会を調整機関として、各委員会とセクションを越えた協力体制を
とって、将来にわたりオリンピック・世界選手権に出場できる体制を構築していく。
【 重点施策 】
1. 北京オリンピック出場のための代表チーム強化施策
・国際試合の実施
・外国人コーチ招聘による強化指導
2. 少数精鋭&重点強化体制確立
・強化合宿参加人数を少数とし重点的に強化する。
3. 年齢カテゴリー別の体制確立
・NTSと連携して各カテゴリーの年齢別代表チームを少数精鋭メンバーで構成し、強化合宿回数を増加する。
・代表チームをはじめ指導スタッフは、コーチチームとする。
4. エリートスタッフ養成体制確立
・強化委員会にエリートスタッフ養成部会を設置する。
・将来の代表チームスタッフ・テクニカルスタッフ・トップレフェリーを各委員会と連携して、重点的に育成していく。
5. 日本リーグチームとの連携強化
・代表チームと日本リーグチームとの連携を図り、常に北京を目指せる強化を図る中で、トップコーチを育成していく。
・プロ化検討プロジェクトを設置し検討する。
6. 情報・科学委員会のサポート
・従来の医科学専門委員会を医事専門委員会と情報科学専門委員会に分ける。
・医事専門委員会は強化本部に設置し、ドクター派遣とドーピングを実施する。
・情報科学専門委員会は、分析研究を行い代表チームのサポート等を実施する。
7. 収益事業の展開
・代表チームを柱とした収益事業を展開し、強化費の確保を実施する。
6.機関誌発行に関する事業
【 基本方針 】
機関誌を通じ、日本協会全体の情報を共有化し、全国のハンドボール関係者の意識統一を図り、
ハンドボール界の発展に寄与する。
【 重点施策 】
1. インターネット情報との連携を図り、記事を掲載する。
2. 年10回の発行とする。
3. 「機関誌のあり方」を検討する(インターネット化)。
4. ナショナル情報・協会便り・理事会報告・国際情勢・各委員会・各連盟・NTS情報・
IHFニュース・企画記事他を掲載する。
7.企画・広報に関する事業
≪ 企 画 ≫
【 基本方針 】
1. 北京オリンピック出場を踏まえた取り組みを企画する。
2. 中・長期スケジュールに基づく企画立案を行う。
3. マーケティング事業に関する定着・拡大を図る。
4. 「プロジェクト21」の推進を行う。
5. 協会運営の改革を検討する。
【 重点施策 】
1. 北京オリンピックにむけての具体案の策定と実行
2. マーケティング委員会並びに協賛募金活動の具体化
3. 「プロジェクト21」の具体的推進
4. 協会運営の改革に取り組む。
5. 中・長期スケジュールに基づくナショナル強化・競技力向上・普及・国際行事等の立案を行う。
≪ 広 報 ≫
【 基本方針 】
1. ハンドボール情報の発信の拡大を図る。
2. マスコミとの交流の拡大を図る。
3. 協会内広報体制の充実を図る。
4. インターネットの充実拡大を図る。
5. ナショナルチームのPRを図る。
6. 「がんばれ10万人会」の徹底を図る。
【 重点施策 】
1. 年間活動計画の作成を行い、実施する。
2. 発信媒体の拡大に伴う対応
・新聞・テレビ(地上波・BS・ケーブル)・雑誌・インターネット
3. ホームページの充実
4. マスコミとの定期懇談会
・東京記者クラブとの懇談会
・NHKとの懇談
5. 協会内組織の充実(担当者の複数化・役割分担)
6. ナショナルチーム露出
・記者発表・記者会見
・新聞・テレビ・雑誌・ホームページ
7. ホームページ情報の内容充実
(機関誌委員会・インターネット委員会・スポーツイベントとの連携)
≪ インターネット ≫
【 基本方針 】
平成16年度は、協会独自のサーバを立ち上げてから7年目となり、情報発信に対するユーザの認
知度等、前年に比較し効果が認められている。その反面、人材面の不足等から発信内容が固定化
される傾向にあり、新たな情報発信・円滑な運用のための体制づくりを進めていく必要がある。
平成17年度においては、インターネットを活用した情報提供のさらなる充実を図り、日本協会よ
り発信すべきハンドボールの情報を、一般の愛好者,関係者へタイムリーに発信する。
【 重点施策 】
1. 日本協会ホームページの充実
・試合結果等の情報発信のスピードアップと内容の充実
・新たな情報発信方法の検討と試行
・日本協会の広報活動としてのホームページ活用
2. ホームページ等、円滑な運用のための体制づくり
・より良いシステムの検討,人材の補強等
3. 外注化による作業の効率化
・ホームページ作成作業の一部を外部に委託し、作業の効率化をはかる。
8.財務・会計に関する事業
【 基本方針 】
平成17年度の日本ハンドボール協会の財政状況を取り巻く環境は、経済的にも社会的にもきびし
い状況にあり、平成16年度と同様に予算編成にあたっては縮小均衡を前提に緊縮財政を組まなけ
ればならない状態にある。
特に、支出面ではこれまでの事業内容をよく検討し、投資効果と費用対効果を充分に精査し効率
の良い運営を推進していく。また、収入面については協会の事業の中でも特化すべき強化・普及
の諸事業の円滑な推進のため、マーケティング委員会を中心に積極的な協賛活動の展開と、検定
事業等の再検討、さらには、協会運営の原点ともいえる登録金の改定を具現化する。
【 重点施策 】
1. 各種事業内容を検証し、投資効果の精査とその事業の差別化を図る。
2. 競技運営委員会・マーケティング委員会と連携し検定事業の再検討を含め、強化事業の財源
確保のため各種の協賛活動を実施する。
3. 収入財源の安定的確保のための登録制度の改定を今年度に提案し、来年度からの実施に向け
教宣活動を行う。
9.日本リーグに関する事業
【 基本方針 】
日本リーグを継続・発展する。
・日本リーグ機構の中期ビジョンを検討する。
・地域と共に発展する日本リーグを目指す。
・ナショナルチームの強化支援を行う。
・普及活動への連携支援を行う。
・企業とパートナーシップを図る。
【 重点施策 】
1. 日本リーグの中期ビジョンを作成する。
2. 新しいリーグの在り方に挑戦する。
・日本リーグのシステム改革を行う (男子リーグ・女子リーグの在り方・変革) 。
・チームにゼネラルマネージャーを設置し、運営を開始する。
・開催権料をアップする。
・運営組織を簡素化する。
・マーケティングに取り組み、成果を上げる。
3. メディア対策を継続・発展させる。
4. 第30回大会の記念行事を実施する。
5. 観客動員を図る。
6. 第3地域での試合開催を拡大する。
7. 経費節減に取り組む。
8. 国際競技力アップに協力する。(ナショナルチーム強化支援・NTSへの協力・支援)
9. 審判技術の向上に取り組む。
10. チャレンジリーグ・オールスター戦の充実を図る。
11. 東アジアクラブ選手権大会の平成18年日本開催準備を行う。
12. トップリーグ連携協議会に参加し、活動を行う。
10.総務に関する事業
【 基本方針 】
近年、日本ハンドボール協会の事業は社会情勢と、スポーツを取り巻く環境の変化にともない、
多岐にわたる活動を余儀なくされている。当然、活動の執行部門である事務局には専門性。正確
性・迅速性等が要求され、現行の事務局のマンパワーからして、仕事量は増加の一途にある。
この現況から今年度は、業務の効率化を積極的に推進し、事務局の多能化を実現していく。さら
に戦力の強化を図るため、人材の効果的再配置と投資を検討する。また、事務局経費の削減につ
いては継続的に取り組み、諸会議の円滑な運営と会議のあり方についても再考していく。また、
環境問題がスポーツ界でもクローズアップされており、大会などを通じ今後環境保全の啓蒙活動
を行ってゆく。
【 重点施策 】
1. 事務局の多能化
2. 事務局経費の5%削減
3. 諸会議の再検討
4. 協会規程の修正と発行
5. 環境保全の啓蒙・実践活動
6. 個人情報保護法の遵守
12.マーケティングに関する事業
【 基本方針 】
ここ数年、企業スポーツの撤退など環境の変化に影響され、大口の協賛金収入は見込めず、相当
厳しい状況である。
このような中で、オリンピック出場権獲得を目指してオリンピックプロジェクトが発足された。
マーケティング委員会としては、このプロジェクトに積極的に協力体制を取りながら財源の確保
に邁進する。
【 重点施策 】
1. 従来の協賛企業の再フロー活動
2. オリンピックプロジェクトと共同活動による協賛企業の開拓推進
3. オリジナルグッズ委託販売の推進
4. JOC オフィシャルパートナーシップタイアップの推進
5. 日本協会主催大会開催に伴い権料の見直しとシステム構築
11.『がんばれハンドボール10万人会』サポート会員に関する事業
【 基本方針 】
「がんばれハンドボール10万人会」サポート会の規約改正により、サポート会の拡大を推進する。
日本協会と都道府県協会と連携し、サポート会の組織化を図る。
【 重点施策 】
1. 都道府県協会サポート会を全国組織にし、本協会会員を10万人にする。
2. 会員への情報・サービスを拡大する。
3. 日本代表選手の家族、OB、OGの組織を作り、サポート会グランド会員への入会を促進する。